大学院(博士後期課程)に合格した。4月から約20年ぶりに大学に通うことになる。 半年前に想像していたのは、3月はやる気に満ち溢れて、研究へのモチベーションも高い状態が続く自分の姿。しかし、現実はまったく違っていた。 得体の知れない何かに、内蔵から手足の先までを、雑巾かペーパータオルのようにきつく絞られているような感覚になっているのだ。 2月の終わりに受けた院試、ペーパー試験はともかく、面接はさんざんな結果だった。 私の専門に近い3人が面接官である。3人から順に質問を受けたのだが、結局のところ、これまでの研究実績の8割を否定されてしまった。 1人目の質問が終わるころには不合格を確信した。 院試を終えて梅田に向かう帰りの電車では、もう研究をやめるしかないな、という思いになっていた。大学院不合格よりも、これまで書いてきた論文のほとんどが評価されていなかった点が堪えた。 それから10日ほどの間、新