1995年に建設された民間オーナー型の都民住宅=東京都板橋区 バブル期の住宅難を解消しようと、東京都が整備を進めた民間がオーナーの賃貸住宅「都民住宅」が苦境に立っている。家賃相場の下落に加え、公的な家賃補助制度が満了期を迎えるためだ。支援がなくなれば一般の賃貸物件として競争にさらされる。都は緊急対策として3年間で約120億円を投入するが、立て直しの道筋は見えない。オーナーは支援の継続を訴える。 都によると、都民住宅は1986〜2004年度、通勤圏内に中堅ファミリー層向けの手頃な賃貸住宅を提供する狙いで建てられた。最初は公設だったが、戸数を増やすために90年代はじめからは、都が建設費の利子や家賃の一部を補助する民間オーナーの物件ができた。 現在、都民住宅約3万5千戸のうち、民間型は6割の約2万2千戸。周辺相場にあわせた設定家賃と入居者負担との差額を国と補助しているが、その期間は最長