最近、高齢者の居場所として図書館が注目されている。平日、街の図書館を訪れると、多くの高齢者で賑わっているのだ。その背景には、これまで多くの時間を職業生活に費やしてきた団塊世代が本格的に退職し始め、地域で過ごす時間が大幅に増えていることがある。団塊退職者は元気で知的好奇心もあり、自由に使えるようになった時間を図書館で過ごしているのかもしれない。 総務省「平成24年版地方財政白書」によると、平成22年度末現在の公立図書館は3,190館と10年前に比べて570館(21.8%)増加した。また、2003年の地方自治法の改正により指定管理者制度*が導入され、日本図書館協会の2012年調査では、2005年度から2011年度までに同制度を導入した市区町村立図書館は296館あり、2012年度に導入予定は36館となっている。同制度を導入した公立図書館の運営主体の約7割は民間企業で、民間の視点からサービス向上と