ヘイト・スピーチという危害 作者: ジェレミー・ウォルドロン,谷澤正嗣,川岸令和出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2015/04/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見るヘイト・スピーチを規制する立法については、日本のリベラルのあいだでは意見の相違があるが、アメリカの文脈では合衆国憲法修正第一条のために、ほとんどが反対にまわっているという。本書は、そのような文脈のなか、ヘイトスピーチに対する規制の立法をいかに擁護できるかを考察する論争的な書物である。議論は錯綜しているが、じっくりと腰を据えて読むに足るものである。 はじめて在特会のヘイトスピーチの動画を見たとき、僕は言論の自由を念頭に置きつつ、やはり寛容は非寛容にも寛容であるべきで...と思っていたが、本書の見方には納得させられるところが多い。ウォルドロンによれば、ヘイトスピーチはその対象となるマイノリティから安