Karl Aiginger, “Populism: Roots, consequences, and counter strategy“, (VOX, 20 April 2019) ポピュリズムが体現するもの、それは自由民主主義、多元主義、人権、そして意見交換に対する挑戦である。本稿では、ポピュリズムの特徴と原動力を精査したうえ、EUとその加盟国が取りうる戦略的対応に考察を加えてゆく。そこには、ヨーロッパが福祉・低失業率・低格差を兼ね備えた高所得社会のロールモデルにして、脱炭素化と公共部門運営のリーダーたる存在となるヴィジョンもふくまれる。 ポピュリズムの定義は容易でない。だが、それが自由民主主義、多元主義、人権、そして意見交換に異議申し立てをするとき、その影響は誰の目にも明らかになる。近日開催される欧州議会選挙では、様々なポピュリスト政党がヨーロッパの在り方に対する影響力を獲得するかも