今年に入ってから個人的に「妹文化」を研究しており、あだち充の『みゆき』(可愛い同級生と可愛い妹のどっちを取るか悩む業の深い話)や、『全日本妹選手権!!』を読んだりしていたのだけど、たまたま図書館で手をとった『「妹の力」社会学』(畑田国男)に驚愕してしまった。 「妹萌え」が注目を浴び、好みの属性として知られていくのは2000年代のこと。しかし、1991年に発行されたこの本には、すでに「妹」のすべてが書かれているのだ。 神話、文学、アイドル。とにかく横断的な「妹」研究 まず、驚いたのはその守備範囲の広さだ。 畑田さんは神話から、アイドル史から、プロ野球選手から、ありとあらゆるところからデータを持ってきて「妹とは何か」を分析していく。 出てくる単語をリストアップしただけでこの調子だ。新約聖書、古事記、太宰治、アグネス論争、全国小中学校作文コンクール、上野千鶴子、宝塚、トロイ戦争、林真理子、松田聖