大量生産・大量消費を是とする20世紀の近代社会とは、多数決の論理に基づく「統一性・標準性」社会でした。しかし、そうした「みんなが同じ」である社会から、「みんな違っていい」という多様性社会へと進みつつあると言われています。結婚し、子を産み、家族を持つという「かつて標準だった生き方」を全員がするとは言えない時代になります。未婚や離婚などによる単身生活者の増加も生き方の多様性でしょう。複業・兼業や就労後の学び直しなど働き方も多様化しています。とはいえ、この多様性という言葉は、使う人によってその定義や範囲がマチマチで、多様性について議論をしていても話がかみあっていないことも多いようです。 今回は、拙著『超ソロ社会』および本連載「ソロモンの時代」のメインテーマでもある、ソロ社会を生き抜くために大事な多様性の考え方について書きます。 ひとりの人間の中にも多様性がある そもそも、多様性とはなんでしょう?