記者会見するサイボウズの青野慶久社長(左手前)=東京都千代田区で2019年3月25日午後2時18分、和田大典撮影 選択的夫婦別姓を巡る25日の東京地裁判決は、新たな規定を戸籍法に設ければ夫婦別姓は可能だと主張した原告の「新論法」を退けた。民法と戸籍法に二つの法律上の姓が存在することになり、現行法下では許されないとの考えだ。一方、選択的夫婦別姓の法制化を求める意見書が地方議会で相次いで採択され、世論調査でも別姓賛成派が増えるなど、社会の理解が先行しつつある。 「民法そのものを変えるよりも、戸籍法で別姓規定を設ける方が容易なはずだ。最高裁まで争いたい」。原告側代理人の作花(さっか)知志弁護士は、判決後の記者会見で語気を強めた。また、原告の青野慶久・サイボウズ社長は、結果に落胆しつつも「最高裁まで上がってこいとのメッセージと、ポジティブに受け止めたい」と前を向いた。