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2007年4月24日のブックマーク (2件)

  • 菅野盾樹: 現在思想のために - 言語の実像を作り直す (1)

    〔すでに公にした、一連の「言語のイメージングをやり直す」(9日分)という考察を1時間程度の講演のスタイルでまとめてみました。以前の記述に比較して打ち出したい論点が鮮明になっていればいいのですが。〕 初めに私の問題意識について簡単に述べましょう。言語とは何か、という問いに対して人々はあらかじめ一定の了解を持っています。その了解は、一部は経験や常識に、一部は言語学や言語哲学などの学問知を源泉としています。ここで現行の<言語>という観念の内容を問い直してみたいと思います。 なぜそうした問いを立てるのかと言うと、20世紀以来の言語探究の動向のなかで、私なりに、例えば日常言語派の研究、あるいは言語行為論、語用論的探究(その延長としての関連性理論)、レトリック研究、コミュニケーション論、認知言語学ないし認知意味論の研究、などに触れるにつけ、従来の<正統的言語学>が依拠する言語観に限界があることを痛感せ

    菅野盾樹: 現在思想のために - 言語の実像を作り直す (1)
  • 言語の実像を作り直す (2) - 現在思想のために

    〔この講演で理論的ターゲットにしたのは、あくまでも<言語音>であって、<言語>ではない。単一の言語音では言語と呼びうるような記号系にはならない。大雑把に言うと、言語とは語彙と文法のセット(ソシュールのいう<言語記号のシステム>としてのラング)なのである。この講演の趣旨は、言語以前の(つまり沈黙裡の)記号環境に人間が<音>という素材を初めて記号化するに至った経過を、一編の形而上学的物語として綴ってみることにある。実際にこの話を人前で披露したところ、聴衆の中にはこの点に関して誤解する人がいたようである。以上を前置きにして前回の続きを掲げよう。〕 3 ソシュールの形相主義が20世紀以降の正統的言語学にいわば裏切られた誘因には、コミュニケーションとしての言語に関するソシュールの捉え方が影響したのではないでしょうか。(話が前後しますが、言語の機能にはさまざまなものがありますが、それらを二つのCで集約