〔すでに公にした、一連の「言語のイメージングをやり直す」(9日分)という考察を1時間程度の講演のスタイルでまとめてみました。以前の記述に比較して打ち出したい論点が鮮明になっていればいいのですが。〕 初めに私の問題意識について簡単に述べましょう。言語とは何か、という問いに対して人々はあらかじめ一定の了解を持っています。その了解は、一部は経験や常識に、一部は言語学や言語哲学などの学問知を源泉としています。ここで現行の<言語>という観念の内容を問い直してみたいと思います。 なぜそうした問いを立てるのかと言うと、20世紀以来の言語探究の動向のなかで、私なりに、例えば日常言語派の研究、あるいは言語行為論、語用論的探究(その延長としての関連性理論)、レトリック研究、コミュニケーション論、認知言語学ないし認知意味論の研究、などに触れるにつけ、従来の<正統的言語学>が依拠する言語観に限界があることを痛感せ