田植から早10日。稲の背も伸び上がったようなので、今日あたり田の水位を上げてみようかしらと僕は考えた。 畦を歩くと、ぼちゃん、ぼちゃんと露払いでもするように、目の前のカエルが水に飛び込んでいく。去年生まれたのもいれば、この春生まれたちびっ子もいる。田面をすいーって泳ぐ様は、さながら水を得たカエル(いや、魚だったかな?)のようだ。 どれ、と水口を覗いた僕は、思わず目を見張った。なんと、怪物みたいなのがそこにいるじゃないか。なにかを咥えてるのか、頭を下にしてじっと動かない。な、なんだこれは?体長は指の第二関節から先、ちょうど5cmほどある。成長したおたまじゃくしよりひと回り大きい。真っ黒くてぶよぶよでごわごわしたそれは、わが家の田んぼで僕が初めて目にしたものだった。 しかしこのまま怪物の話を進める前に、ここでひとまず田んぼの様子を説明しておこう。 まず、水の中にはたくさんのおたまじゃくしがいた
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