数ヶ月の毎日は子どもの病気が少しずつ治っていくのを、ただただ見つめていた。薬の副作用と歩行禁止で体重が5キロも増えて丸くなった頬や身体は、運動をゆるされてから徐々に引き締まっていった。そして産毛とはいえないほど濃くなってしまった体毛。あまりにも不憫で、それも薬だと思うと忌まわしくてならなかったが迷ったあげく除毛クリームを買ってきた。入院を含む2ヶ月の安静療養とその後3ヶ月の投薬を乗り越えて、ようやく健康を取り戻した子ども。そしてようやく6月。 長袖の頃の私は執拗に携帯のアプリゲームをしていた。何種類かの動物を並べ替えて3つ揃えて消していくのを延々と繰り返す。なにも考えずに時間が過ぎてゆくことだけが唯一のなぐさめだった。花粉症の頃は目の周りがひどくカサついていた。こするだけこすったあとの目薬が凍みてたまらなく気持ちいい。充血した目の尋常ではない赤が気に入ったことを話したかった。 カリフォルニ