1夢現 体がだんだん重たくなり、言うことを聞かなくなっていくにつれて意識はどんどん内向して行く。そしてしだいに外界をシャットアウトし、ついにはシャットダウンする。夢現(ゆめうつつ)の状態のなかフジモトマサルのマンガがまた読みたくなって数冊読んでしまった。記憶の強引な編集によって生と死、この世とあの世の境界を往来する主人公日菜子の「二週間の体験」を非常に巧みに描いたフジモトマサルの『二週間の休暇』(講談社, asin:4062140659)のなかにフクロウのおっちゃんがやっている「ニライ書房」という本屋が出てくる。ちなみに、日菜子が迷い込む「あの世」はある意味でヒッチコックの『鳥』よりもホラーな世界であり、住人はすべて飛ぶことを忘れた、飛ぶ必要のない鳥たちである。ニライ書房に置かれている本はすべて店主のフクロウのおっちゃんが書いた変な題名の本ばかりだ。日菜子がそんな本のなかで『給水塔占い』と
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