1931年の満州事変の発端となった柳条湖事件から79年を迎えた9月18日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖で発生した衝突事件をめぐり日本政府が中国人船長を釈放しないことに抗議し、北京の日本大使館周辺で起こった100人規模の反日デモ行進。「釣魚島から出て行け」という反日プラカードを持つ若い活動家に交じり、50センチ四方の紙に「深圳・腐敗」と書いた紙を掲げた40代男性が目を引いた。この男性を含めて、陳情者とみられる地方の農民ら10人程度が、反日デモ行進に紛れ込んでいたのだ。 反日デモに紛れ込んでいた共産党体制への不満分子 「日本軍に侵略された屈辱の歴史を忘れるな」と訴える中国共産党は、暴力化しない限りにおいて反日デモを黙認する。そのため普段は公安当局から抑圧され、腐敗や立ち退きなど自らの不満を世間にアピールできない陳情者ら社会不満分子にとって、反日デモは訴えを示せる数少ないチャンスとも言える。実は