written 2009/7/26 &o ヘーゲルの歴史哲学については、もう読んだものとずっと思ってきたのだが、最近になってそうではないことに気づいた。そこでようやく岩波文庫の上下2分冊『歴史哲学講義』(長谷川宏訳)を買い、読み始めた。難解な部分はほとんどない、平易な文章だ。 なぜ既に読んだものと思い込んでいたかというと、少なくとも20世紀以降、ヘーゲルの歴史観はすこぶる評判が悪く、近代西欧至上主義の独善的な考え方で非西洋世界を片付けてしまうそのやり口は、いろいろなところで批判されているからだ。日本でも吉本隆明氏が『アフリカ的段階について―史観の拡張』で批判的に取り上げていたが、これなどは相当遅れてきたほうだろう。 悪名高いこの「歴史哲学」については、従って、読んでいなかったがある程度内容を知っていたのだと言える。 が、実際読んでみて、本当にその頑迷さ・偏狭さが鼻につき、傲岸な西洋主義に怒
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く