「自社のためであるはずの情報システムを,ITベンダーの製品に合わせて開発しなくてはならない現状を,ずっと疑問に感じていた」――。情報系システムを1年半がかりで刷新した,金融系大手ユーザー企業の担当役員はこう語った。筆者はこの一言に,ユーザー企業がベンダーに対して抱いている不信感が象徴されている,と感じている。 今,ITベンダーのこのような姿勢に,疑問を抱き始めているユーザー企業が少なくない。実際,日経コンピュータ8月7日号で実施した顧客満足度調査では,そのような声が多く聞かれた。 都内に本社を構える中堅メーカーの情報システム部長はこう漏らす。「あるベンダーの営業担当者は,新しいブレード・サーバーの販売を開始したから使いませんか,という。そのような発想で製品を売り込まれても,当社のためになるとはとても思えなかった」。中堅ゼネコンの情報システム部長は,「サーバーのリプレースに伴って提案を募った