日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回取り上げるのは、あまり知られていないウクライナのスパイ組織における実情について。 水面下のスパイ合戦 ウクライナで興味深い「スパイ工作」が話題になった。 ウクライナ側の関係者がロシア軍のパイロットに接触し、戦闘機でウクライナに入ってわざと投降するよう持ちかけた。見返りに200万ドルと、西側諸国での家族との安全な生活を約束したという。 あるロシア人パイロットがこの話に乗った。ただパイロットは自分の家族でなく、「愛人」と一緒に亡命したいとウクライナ側に提案したのだ。ところがこの「愛人」が実は、一連の動きを把握していたロシアのFSB(ロシア連邦保安庁)が送り込もうとしたスパイであることが判明する。
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