9月19日米国FDAはデュシャンヌ型筋ジストロフィーの治療薬EXONDYS 51を承認した。全く治療法がなかった遺伝性疾患に対する初の治療薬だ(現実的には治療薬候補に等しいが)。この病気は、X染色体にあるジストロフィンという遺伝子の異常によって起こる。ジストロフィンは筋肉細胞の表面に存在しているが、これがないと徐々に筋肉細胞が死んでいくため、筋力が低下していく。筋肉細胞は大きく伸び縮みするが、その際の細胞同士が擦れ合う際の潤滑油のような役割をしているのかもしれない。 同じ遺伝子の異常によってベッカー型の筋ジストロフィーが起こる。発症時期や病気の進行速度の違いから区別されていた。両者の差は、デュシャンヌ型ではジストロフィンがなくなっているのに対して、ベッカー型では異常なジストロフィン蛋白が検出される。そして、後者の方が、病気の発症も進行も遅い。正常な蛋白でなくても、少しは機能しているのだろう