前回、シングルマザーの貧困とその連鎖は日本が女子教育を軽視してきた産物であると指摘しました。その中で、こうした貧困の連載を食い止めるための支援で特に重要なのはお腹に子どもを宿してから2歳の誕生日までの“最初の1000日”だと言及しました。 なぜ最初の1000日が重要なのか、先に結論を述べると、この時期の母体ないし子供が栄養不足や栄養不良(ジャンクフードを大量に摂取するなど、エネルギー自体は足りているものの、ミネラルや鉄分といった微量栄養素を欠く栄養バランスに問題がある状態)を経験してしまうと、脳の発達に遅れが生じてその悪影響がその子供に一生ついて回るものとなるからです。 近年、最初の1000日の支援の重要性は国際的に注目を集めています。私が勤務する国連児童基金でも子供の権利を守るための重要な戦略として、最初の1000日支援がセクター横断的に採用されています。一方、日本の政府の支出を見ると、