昨年4月に大分市内の中学校で男子生徒に暴行して失神させ、傷害罪で略式命令を受けていた60代の男性教諭を、大分県教委が正規教員として再雇用し、教壇に立たせていたことが県教委への取材で判明した。教諭は再雇用後の先月14日にも大分県臼杵市の中学校で暴力を振るい生徒にけがをさせていた。県教委は「再雇用の基準を示した要綱に『略式命令を受けたことで再雇用できない』とは書かれておらず、問題ない」としている。 県教委によると、教諭は柔道の有段者。昨年4月、下校指導で「早く帰宅しなかった」として、自転車に乗った男子生徒の首をつかんで転倒させ、失神させた。生徒は1週間のけがをし、教諭は傷害罪で罰金20万円の略式命令を受けた。県教委も教諭を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。その後、教諭は今年3月に定年となった。