同性間に結婚を認めるべきか否か。いま世界各地で議論が巻き起こっている。二大政党制をとるアメリカの大統領選では、同性間の婚姻を認めるか否かは主要争点のひとつとなっており、フランスやイギリス、ニュージーランドなどでも婚姻を同性同士にも等しく認める法律案が審議中である(2012年3月現在)。あたらしく選出されたローマ法王の出身国アルゼンチンも、同性同士に婚姻を認めている国のひとつだ。 これまで婚姻が異性間で結ばれる法的な絆であることは、ほぼ無前提に、あるいは、とくに解説を要しない事実として受け止められてきた。内縁や事実婚という言葉も、一般的には異性間の関係性を念頭に置いている。同性間パートナーシップに対する法的保障の議論は、所与のものとして理解されがちな婚姻を相対化し、婚姻そのものがもつ現代的な意味を問い直す機会をわれわれに与えている。 そこで、現在さまざまな国家で導入されている同性間パートナー