2007/07/02 「初孫」の読みは、「ハツマゴ」か「ウイマゴ」か。 読者にはハツマゴ派が多いかもしれないが、少しコトバにうるさい人なら、「それは新しい読みで誤読。正しくはウイマゴ」というだろう。日本語能力の低下、コトバの乱れを指摘して、ため息をつくかもしれない。 しかし、実はハツマゴが「近頃の若者」の誤読だなどという事実はない。明治初期の三代目三遊亭円遊の落語、「三年目の幽霊」には「早く初孫(ハツマゴ)の貌(かほ)でも見たいと夫(それ)を楽しみに私は思って居るんです」との用例が見られる。 初孫をウイマゴと読む例は、17世紀の仮名草子にまでさかのぼる。では、より古いウイマゴの読みが正統かというと、もう少し話は複雑だ。平安時代の古典、栄花物語には「ハツムマゴ」の読みが見られ、むしろ「初」をハツと読むほうが古いからだ。 つまり、あえて決着を付けるとすれば、初孫はウイマゴ、ハツマゴのどちらの読