日本ではまだレーダーに捕捉されていない、ブルゴーニュのミクロネゴスを試飲した。その名をエイメ・ヴァディム（Ayme Vadim）。プルミエクリュとグランクリュに特化している。オリヴィエ・バーンスタインをちょっと連想させる。 パリ・ベースのソムリエ、染谷文平さんが持ち帰った。シャルル・ド・ゴール空港の混乱で、いったんロスト・バゲージとなり、フラン.. ログインして有料記事を読む ログイン パスワードを忘れた方はこちら 購読申込のご案内はこちら 会員登録（有料）されると会員様だけの記事が購読ができます。 世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます！ Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

半年前にロシアの億万長者にドメーヌを売却したフランス・ジュラのスター生産者ジャン・フランソワ・ガヌヴァが、ロシアのウクライナ軍事侵攻により、思わぬとばっちりを受けている。 ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランスによると、昨年9月にガヌヴァを買収したロシアの実業家ドミトリー・パンピアンスキーが、経済制裁の対象となる「オリガルヒ」（新興財閥）の..

ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ（DRC）の2019ヴィンテージが、英国の総代理店コーニー＆バロー主催の試飲会でお披露目された。夏の熱波に見舞われてアルコール度の上がったヴィンテージで、赤ワインはほぼ90-100%の全房発酵で仕込まれた。初めてのコルトン・シャルルマーニュが506ケース生産された。 英国でのDRCのプリムール試飲会は毎年、収穫年から2年後..

英国を代表するジャーナリストのジャンシス・ロビンソンOBEが主宰する有料ワインサイト「JancisRobinson.com」が、米国のデジタル・メディア企業「リカレント・ヴェンチャーズ」（Recurrent Ventures）に買収された。 米マイアミに本社のあるリカレント社は2018年に創業された。「Saveur」「Outdoor Life」「The Drive」など、料理、ライフスタイル、自動車など17を超すブランドを抱え、月間で計5000万人以上のユニークビジターを獲得している。購読料収入の基盤となるような、小規模な購読料に特化したジャンシス・ロビンソン・コムを発掘した。 ロビンソンのサイトは、リカレント社が2021年に買収した4つ目のサイト。買収条件は公表されていない。CEOのランス・ジョンソンは、サブスクリプションの収益性に期待し、「ブランドの成長に必要なサポート、リソース、専門

一気に知名度が上がったMW まだ知られていないMS 2018年「ソムリエ」165号 マスター・オブ・ワイン（MW）とマスター・ソムリエ（MS）はどう違うのか。どちらが優れているのか。ワインに関わるプロなら一度は抱いた疑問だろう。といっても、5年前まではその名前すら知らなかった人も多かったに違いない。 ..

各国がコロナ禍で苦しむ中で、韓国の2020年のワイン輸入額は過去最高を記録した。アジア3番めのワイン市場の韓国は成長が期待されている。 韓国の関税庁によると、2020年1-11月の輸入ワイン額は2億3900万米ドルで、2019年1年間の2億400万米ドルを上回った。12月を含めると、2020年は前年を通年ではるかに上回る。2011年の輸入額は1億1300万米ドルで、ほぼ右肩上がりで成長し、10年間で倍増した。 市場調査会社IWSRによると、韓国の2019年のスティルワイン消費量は4300万ケース。2014年から2019年にかけての年平均成長率は5.2%。1人あたりの消費量は0.9リットルと少ないが、日本、中国に次ぐアジアで3番目の市場に成長している。 韓国では70%の関税がかけられるワインは一種のぜいたく品。1万円のフランスワインを輸入すると7000円の関税がかかる。そのため、レストランや

寿司を食べる機会が増えた。大橋健一MWが招へいする海外の専門家と必ず寿司屋で会食するからだ。英国から来日中のジャーナリスト、ジェイミー・グッドと出かけたのは六本木の「鮨　西むら」。せっかくなので、寿司と合う白ワインは何かを、ペアリングの専門家大越基裕ソムリエ含めたワインレポート・チーム3人とジェイミーの4人で探った。 持ち込んだのはシャブリとアシルティコ。いずれも魚介によく合うのは常識。サントリーニ島では、魚やイカのフライとアシルティコを楽しんだ。シャブリと生魚も定番。大橋MWがリサーチ・ペーパーのために調査した東京の高級寿司レストランでも、オンリストの上位にきた。どちらが合うのかを試してみたかった。 持ち込ませていただいのは、「ドメーヌ・モロー・ノーデ　シャブリ　2015」「ドメーヌ・ロン・デパキ　シャブリ　プルミエクリュ　レ・リー　2014」と「アシルティコ・バイ・イエア　ワイルド・フ

日本で最も古い月刊ワイン雑誌「ヴィノテーク」が、10月に廃刊する。新型コロナウイルスの影響で、海外取材が出来なくなったのが直接の理由。10月1日に発行される10月号で40年の歴史に幕を下ろす。 ヴィノテークは1980年に、有坂芙美子さんが国内唯一の月刊ワイン雑誌として創刊した。世界のワイン産地を取材し、最新情報を伝えてきた。稲垣敬子（いながき・のり..

日本ソムリエ協会の田崎真也会長が主催する「田崎真也ワインサロン」（東京･愛宕）が1日、10月いっぱいで閉校すると発表した。新型コロナウイルスで、ワインスクールも打撃をこうむっている。 田崎真也ワインサロンは田崎会長が世界最優秀ソムリエとなった1995年の翌年に開校した。ソムリエ、SAKE　DIPLOMAなどの受験対策のほか、ワインや日本酒を深く掘り下げる..

ワインは奥が深い。知らない造り手がまだまだ眠っている。世界のソムリエが血眼になって探すピノ・ノワールに出会った。スイスのロマネ・コンティと呼ばれるその造り手の名は「ガンテンバイン」（Gantenbein）。生産量は3万3000本。飲もうとしたら、スイスやドイツの3つ星レストランに行くしかない。大橋健一MWの縁で、ドイツの輸入元が案内してくれ、日本人として初めてワイナリ..

猛暑と新型コロナウイルスに直面して、各国のワイン産地が経験のない状況に対処を迫られている。フランスは2003年よりも早い収穫に追われ、イタリアは季節労働者の確保に苦しんでいる。カリフォルニアでは計画停電により、屋外に出かける人が増えて、ウイルス感染の拡大が懸念されている。 フランスの農業省統計局によると、この100年間で最も温暖だった春..

ヤフーオークションやメルカリで、ロマネ・コンティやアンリ・ジャイエの空き瓶が、高値で出品されるのを見かけることが増えてきた。安いワインを詰める偽造ワインの素材として流通している可能性が高い。規制はかけられないが、詐欺の温床を放置しているようなもので、潜在的なリスクをはらんでいる。 「ワイン空き瓶」でメルカリを検索すると、ブルゴーニュや..

新型コロナウイルスで、歴史的な危機に陥っているシャンパーニュで、メゾン（ネゴシアン）とヴィニュロン（グローワー）が、2020年収穫の収量をめぐる話し合いで合意に達しなかった。お互いの利益が異なるために生じた歴史的に異例な事態だが、今年の収穫は8月末が予想され、早急な合意が求められている。 エペルネに本部を置くシャンパーニュ委員会は、ネゴシア..

引退した”ワインの帝王”ロバート・パーカーが、ピノ・ノワールを好まず、ブルゴーニュを完全に理解できなかったことが、英デキャンター誌のインタビューで明らかになった。 デキャンターの「ホール・オブ・フェイム　2020」に選ばれたパーカーは、ジャーナリストのアンドリュー・ジェフォードの取材を受けて、インタビュー記事が8月号に掲載..

ボンヌ・マールや優れたシャンボール・ミュジニーで知られたモレ・サン・ドニのロベール・グロフィエが22日、亡くなった。葬儀はモレ・サン・ドニの教会で、29日午後3時（現地時間）から行われる予定。 グロフィエ家は19世紀のフレデリックにさかのぼる歴史を持ち、ロベールの父ジュールが1950年代にドメーヌを創設し、ロベールが本格的に自家元詰を始めた。現在は孫のニコラが中心となって、彼の父セルジュと共にドメーヌを運営している。 1haのボンヌ・マール、0.47haのシャンベルタン・クロ・ド・ベーズに加えて、シャンボール・ミュジニーにレ・オードワ、レ・サンティエ、レ・ザムルーズの合わせて約3.2haのプルミエクリュを所有している。1.12haのレ・ザムルーズは最大の所有者。ジュブレ・シャンベルタンやブルゴーニュ・パストゥグランも含めて計7.5haを所有する。 ジュールは1960年に、購入した畑をロベー

2018年のシャブリは暑くて乾燥した夏の天候に恵まれ、過去20年間で最良のヴィンテージになると、ブルゴーニュワイン委員会のシャブリ委員会のルイ・モロー会長が発表した。2018年のフランスは、戦後最小の生産量となった2017年と比べて、各地で品質の高い豊作が期待されている。サッカーのワールドカップ優勝だけでなく、ワイン生産でも朗報がもたらされそうだ。 2018年の..

ボルドー2019ヴィンテージのプリムール商戦が28日、幕開けした。シャトー・ポンテ・カネが先頭を切って、リーマンショックの2008以来最安値の58ユーロ（exネゴシアン）で売り出した。一部の評論家やワイン商がバレルサンプルを試飲しているが、日本を含めて大半のトレードが試飲していない変則的な状況。パンデミックで、世界不況が続く中で、先行き不透明な前例のない商戦に..

マスター・オブ・ワインの受験生が、試験の最終段階で提出する「リサーチ・ペーパー」が、ウェブサイトで見られることは以外に知られていない。 マスター・オブ・ワイン協会では、近年に合格したマスター・オブ・ワインのリサーチ・ペーパー（RP）をダウンロードできるページを設けている。 RPはプラクティス（試飲）とセオリー（理論）の試験を合格した受験生が、最終段階で提出する論文。受験生が世界のプロと綿密な研究レポートをやりとりできる調査、分析、コミュニケーションのスキルを有しているかどうかを審査する。MWのプログラムの中で最大にして最後の難関とされている。 このページでは、2015年から2020年までに合格したマスター・オブ・ワインのRPをフリーでダウンロードできる。気候変動、シャンパーニュのトレンド、酸の調整など、幅広いトピックの深い考察を読むことができる。大橋健一MWが2015年に提出した、東京の寿

ブルゴーニュの例外的な才能を有する10人の造り手を、アジアで初めてマスター・オブ・ワインとなったジェニ・チョ・リーMWが、英デカンター誌6月号の記事で紹介した。中堅から若手まで、ブルゴーニュのダイナミックな変化を牽引する10人を選んでいる。 ジェニ・チョ・リーMWは韓国系米国人で、2008年にワイン業界最難関の資格をアジアで初めて取得した。アジアで..

ブルゴーニュの雑誌「Bourgogne Aujourd'hui」は、4月の電子版に、DRCの共同経営者オベール・ド・ヴィレーヌへの取材に基づく記事を掲載した。説明や試飲コメントなど興味深い内容が含まれている。記事も参考に、大雑把な情報があふれるDRCの正確な情報を整理する。ドメーヌの中のドメーヌである「The Domaine」をきちんと理解しよう。 ロマネ・コンティの畑..