世界経済(少なくとも新興国)はリーマン・ショックを乗り越えたということか、食料や原油などの第一次産品の価格が騰勢を強めており、リーマン・ショックの前の2008年の夏と似たような状況になってきている。これに伴って、わが国の交易条件も再び悪化の傾向を示しているとみられる。 交易条件(terms of trade)というのは、輸出財1単位と引き替えに何単位の輸入財を手に入れられるかを意味している。この数字が大きいほど有利で、小さいほど不利だといえる。輸出財を1単位を売れば、輸出価格の分の収入が入ってくる。これに対して、輸入財1単位を買うには輸入価格の分の支出が必要になる。それゆえ、収入を支出で割れば、すなわち輸出価格を輸入価格で割れば、交易条件が求められることになる。 経済全体についてみた交易条件は、国民経済計算(GDP)統計の輸出デフレータを輸入デフレータで除したものと定義される。2000年以