いまから100年以上前、日本製の駆逐艦が一挙に12隻もフランスに輸出されました。これだけ大量の日本製水上戦闘艦が外国に供給されたのは他に例がありません。では、なぜこのような事態に至ったのでしょうか。その経緯をたどります。 遠路はるばるヨーロッパに駆逐艦を輸出した実績 最近、日本製の護衛艦を外国に輸出しようという動きがあります。2021年5月には、一部報道で日本政府がインドネシアに対して海上自衛隊の護衛艦を原型にした軍艦を共同生産という形で、売り込もうとしているというハナシもありました。 日本製の軍艦が外国に輸出された例としては、タイ向けに建造されたトンブリ級海防戦艦や、中華民国(当時)向けに造られた寧海級巡洋艦などが比較的有名ですが、それらのような少数ずつではなく、12隻を一挙に輸出した例があります。それはフランス向けに建造されたアラブ級駆逐艦。いったいどのような経緯でそれだけの大量輸出と