むかし会社の先輩からこんな事を言われて、とても共感した。「成功体験は共有する意味があまりない。なぜなら、成功原因がなにかなんて、わからないから」。ソフトウェア開発の世界では沢山の「成功事例」が発表されている。個人の情報発信が発達して、沢山の「成功」が世に溢れる。本当に大切な「失敗談」はどこにいけば知れるのだろうか。 成功要因は一般化できない。 ソフトウェア開発が成功したとして、その成功要因を特定して一般化することは難しい。新たな方法論の適用があったかもしれないが、じつは柔軟性の高いプロジェクトオーナーその人が成功の理由で、方法論は真の成功要因ではなかったかもしれない。もしくは、たった一人の献身的なエンジニアの働きが戦況を変えたのかもしれない。成功は、実力だけではなく幸運の賜物である。同じソフトウェア開発プロジェクトは二つとない。まったく同じように振る舞っても、成功を繰り返すことはできない。
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