文:北林のぶお 写真:斉藤順子 ホーキング博士の一周忌にあたる3月14日に、博士の最後の書き下ろし著作『ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう』(NHK出版)が日本で発売された。シンポジウムはその出版を記念して開かれ、池上さんのほか、理論物理学者の村山斉さん、メディアアーティストの落合陽一さん、毎日新聞科学環境部記者の須田桃子さんが登壇した。 「あえて断定する」というホーキングの流儀 本書は「宇宙には人間のほかにも知的生命が存在するのか?」「未来を予言することはできるのか?」など10の“ビッグ・クエスチョン”に対して、ホーキング博士自身の見解を示すという構成。4人のパネリストは最初に、明確な回答を導きにくい難問へとあえて挑んだ、博士のスタンスについての印象を語った。 村山さんは「ホーキングらしい本だなと思いました。彼はいつも物議を醸すのが好きで、ある特定の主張をして賭けをしました。