2008年から14年までの7年間に1562億円の利益を水増ししていた東芝の巨額不正会計事件。7月21日に公表された同社の第三者委員会の調査報告書には、経営トップが恒常的に社内へ圧力をかけていた様子が生々しく描かれている。 とくに目を引くのが、辞任した田中久雄社長、佐々木則夫副会長、西田厚聰相談役の歴代3社長が主導したパソコン事業の利益かさ上げによる不正な会計操作だ。 実は東芝は、不正な会計操作を繰り返していた最中の昨年9月18日、パソコン事業の国内外従業員900人のリストラを発表している。対象従業員の2割に相当し、国内の営業、事務、開発部門を中心に400人を減らすというものだった。当時はアベノミクスによる景気回復の兆しが見え始め、東芝本体も14年3月期決算では営業利益、純利益ともに黒字を達成していた。世の中が上げ潮ムードにある中でのリストラ発表に驚かされたが、好業績の時に不採算部門を立て直