103歳のおじいちゃんが、どこへ行ったか分からない――。そんな騒ぎが昨年8月、岡山県玉野市であった。実は約50年前から行方不明なのに、年金欲しさに息子(65)が黙っていたと判明した。しかし捜査当局は詐欺罪での立件は難しいといい、市はなぜか、受給の根拠となる住民票を残している。息子にも行政にも生存扱いされたまま、おじいちゃんは2日、104歳になった。 きっかけは、昨夏相次いだ高齢者の所在不明問題。市内の100歳超について確認作業をしていた市職員が、介護保険サービスの利用実績がない父親宅を訪問。息子が「7月下旬にいなくなった」と答えた。 行方不明を知った捜査当局は、早い段階で、息子による年金の不正受給事件とみて捜査を進めた。その過程で、息子が前妻と別れるために作成した離婚届の証人欄に、父親の名前と印鑑を勝手に使っていたことが判明。玉野署は有印私文書偽造などの容疑で息子を逮捕し、岡山地検が昨