山形県天童市の天童ホテルで指されていた第74期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第5局は31日午後6時44分、挑戦者の佐藤天彦(あまひこ)八段(28)が羽生善治名人(45)に100手で勝ち、通算4勝1敗でタイトルを奪取した。佐藤挑戦者は、初のタイトル獲得で将棋界の頂点に立った。 現行の名人戦は約80年の歴史があり、将棋界で最も伝統があるタイトル戦だ。新顔の名人誕生は2002年の森内俊之九段(45)までさかのぼる。以降、羽生・森内で争ってきた2強時代が今回で崩れた。 佐藤挑戦者は福岡市出身。2006年のデビュー以来、好成績を挙げ続けてきたが、ここ数年で急成長。名人戦の挑戦権を争うA級順位戦では8勝1敗で優勝。A級昇級後にすぐ挑戦し、奪取するのは谷川浩司九段(54)、羽生名人に続き史上3人目の快挙だ。 名人位に就くのは佐藤挑戦者が13人目。28歳4カ月での