食品の世界には、その後の食のスタイルを劇的に変えた革新的な技術がいくつかある。例えば、缶詰や冷凍食品、インスタントラーメンなど。どれも皆、私たちの食生活には欠かせないものばかりだ。 そしてもうひとつ忘れてならないのが、レトルト食品。箱を開けてパッケージを取り出し、お湯で温めるだけ。あとはご飯を用意すれば、カレーやシチューが手軽に食べられる。手の込んだ料理をまったく調理せずに食べられるのだから、こんなに便利な食べ物はない。 レトルト食品と聞いて、どんな製品を連想するだろう? 多くの人は、まずカレーを思い浮かべるのではないか。そしてカレーと来れば、大塚食品の「ボンカレー」の名が挙がるはず。何を隠そう、日本で初めて市販されたレトルト食品が、この「ボンカレー」なのである。 本来レトルトとは、高温加熱殺菌釜のことを指している。その釜で加圧・加熱殺菌した食品をレトルト食品といい、レトルト食品を封入して