現在は過去の上に 我々が生きる現在・未来は、過去の出来事を礎に成り立っています。壊滅したアイヌ文化のその先を見ることができぬように、絶滅したニホンオオカミの生態を二度と観ることができぬように、過去は現在を縛る枷といえるでしょう。 海外に留学中の身の上である私が、未だに靴を履いたまま他所の家に上がるのに抵抗を覚るのも、わざわざ日本から持ち込んだ愛用の電気機器を許容電圧の確認もせずに使用して爆発させたりするのも、これまでに経た過去の経験や環境を私が今も引きずって生きているからといえます。 我々の生きるこの世界を意識して見渡せば、人類の社会構造のほか、生きものや自然環境、いうなればこの世界そのものが、すべて過去の上に現在の姿を見せていることに気づくはずです。 過去は森林の底に もちろん森林の生態系もその例に漏れません。たとえば、一見手付かずに見える日本の森林も、そのほとんどが長い歴史のなかで、我
![カタツムリが語る森の歴史 – 北海道黒松内町のブナ林に残された、100年前の森林伐採の影響](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e08542d91170399d1eedfcf071d214bd8e59d40d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Facademist-cf.com%2Fjournal%2Fwp-content%2Fuploads%2F2019%2F05%2F002-11.jpg)