陸上自衛隊然別(しかりべつ)演習場(北海道鹿追(しかおい)町)で5月、演習中に空包と間違えて実弾を誤射した事故で、弾薬の調達担当者による書類の転記ミスが原因だったとみられることが、自衛隊関係者への取材でわかった。 計画に反して小銃に弾を込めず、射撃自体をしていなかった隊員がいたことも判明。照準装置を適切に使っていない隊員もいた。陸自は、ずさんな訓練や規律の緩みが事故の背景にあったとみて、引き続き調査している。 事故は5月23日、北部方面隊所属の第310輸送中隊の演習中に発生。訓練は、輸送中の車列が襲撃されるという想定で約30人が参加し、敵味方に分かれて空包を撃ち合う計画だった。しかし、誤って実弾が支給され、隊員9人が計79発を発射した結果、破損した小銃の部品で2人がけがをした。