「大好きな親には何でも相談する」「傍観者も加害者」は誤りです-。いじめ自殺で一人娘を失った経験を持ち、「いじめのない教室をつくろう」(WAVE出版)を出版した横浜市の小森美登里さん(56)は、こう訴えている。小森さんは10年以上、800回超に上るいじめ防止の講演活動を通じ、600校の先生と23万人の子供たちと接してきた。著書は、その経験の中で得たいじめ問題の“処方箋”だ。9月に「いじめ防止対策推進法」が施行されるなど国を挙げた対策が進められているが、小森さんは「大人がいじめ問題で勘違いしている点が多すぎる」と訴えている。 小森さんは平成10年7月、高校1年だった長女、香澄さん=当時(15)=を自殺で失った。香澄さんは同級生から言葉や態度によるいじめを受けていた。学校には10回以上足を運び、メンタルクリニックにも通わせていた。 ある夜、小森さんは引きこもっていた香澄さんを散歩に連れ出した。小