三十代半ばまでプログラマーだったけど、やりたいことがあって別の業界に転職した。 自分が新卒のころ、その業界の知名度は今よりもずっと低かったから、どうすればその道に進めるのかずっとわからないでいた。だから、おっさんになってから転職した。 最初は小さな会社だった。 大企業から案件のおこぼれをもらって、それで基礎を学んだ。仕事量は多いけど、手取り 20 万なかった。 仕事に慣れたころ、会社の経営が傾き始めた。他部署の業績悪化が足を引っぱり、テコ入れに精神論を売りにする外部のコンサルを雇うようになった。 自分のいた部署は堅実に売上を伸ばしていたのだけど、そのことが逆に経営層から疎まれ、最後は部門ごと他社へ移籍することとなった。 図らずもまた一からの出直しとなった。 次も小さな会社だった。 営業部の力が強く、どの営業担当から案件を回してもらうかで社内での立ち位置が変わった。 営業担当も互いに自分の影