榎本:日本は昔から、海外のものを取り入れることを推奨する人が多いですね。ただそれが基で問題やトラブルが起きてもあまり疑問視しません。 昨今、国の教育施策や企業の教育研修に携わる人がディベートをやたらと推奨している。『ディベートが苦手、だから日本人はすごい』は特にそういう人たちに、日本人のコミュニケーションの本質について考えてほしいと思って書いたものです。 日本人が自己主張が苦手なのは、日本語の構造と文化風土に由来するもので、そこにこそ日本的コミュニケーションの長所があると主張されています。 榎本:日本語と英語は言語構造が全く違います。英語はまず主語のIとかYouが最初に来る。一方、日本語は人称代名詞がTPOによって様々に変化する上、多くの場合で主語が省略されてしまいます。こうした言語構造の違いがコミュニケーションの違いを生み、自分と相手の関係性の違いを生んでいるのです。心が全く違うわけです
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