中国経済の停滞を受け、大手格付け会社ムーディーズが中国の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。そんななか、中国の富裕層は、資産を安定的に運用するために資金を外国に移している。そんな彼らは日本の不動産にも積極的に投資しているという。 中国からの資金流出 2023年、3年近く続いたゼロコロナ政策が正式に終わった中国では、人々がようやく外国を行き来できるようになった。それを受け、中国人富裕層は資産を少しずつ国外に移している。 彼らは再び行けるようになった東京、ロンドン、ニューヨークで貯蓄を使い、マンションや株式、保険に投資する。日本ではマンションを購入し、米国やヨーロッパでは銀行口座に資金を注ぎ込む。欧米では低金利の中国よりも高い利子がつくのだ。 このような資金の国外流出は、中国の抱える不安を示している。パンデミック後の経済の回復は遅れ、多くの家庭において資産の大部分を占め