※本記事は『大人のいじめ』(坂倉昇平)の抜粋です。 「生産性」の低い労働者は「いじめても良い」? 「できるだけ安く・長く」働かせる労務管理は、労働者を体力や精神力の限界まで使い潰す、長時間労働の職場だけに広がったわけではない。「コスト」となる労働者の数を最小限に抑える一方で、一人当たりの業務量を最大限まで増やし、休憩や休暇をろくに取らせずに働かせる。この働かせ方は、いまや業界や雇用形態を超えて拡大し、日本社会全体に浸透している。 そして、これは若手正社員だけでなく、業界によっては中高年社員にも広がっている。さらには契約社員や派遣社員、主婦パートや学生アルバイトなどの非正規雇用までも対象となった。サービス業を中心に、基幹的な業務が単純化・画一化・マニュアル化され、非正規雇用にも任されるようになった。低賃金にもかかわらず、責任や業務量は膨大になっていった。 こうした余裕の失われた職場で、職場い
