ハーバード大学が1938年から75年間にわたり継続している「Grant Study」という研究がある。ハーバード大学の男子卒業生268人を対象に、その後の人生を追跡調査したもので、対象者は2年に1度、健康診断、心理テスト、面接などを受けており、「幸せな人生を送るために必要なものは何か?」を見極めるための分析がなされてきた。 その中でも興味深かったのは、母親との関係だ。幼少期に母親と温かな関係にあり、密接な絆を結んでいた男性は、そうではなかった男性に比べて、仕事における効率性が高く、ピーク時(55~60歳)の年収が8万7000ドル(約890万円)も高いことがわかった。また、母親との関係がよくなかった男性は、老年期に認知症を発症する確率が高くなることも分かっている。父親との関係においては、こういった相関関係は見られなかったそうだ。 ここまで書くと、「父親は何の影響もおよぼさないのか?」と言われ
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