クエンティン・マサイス『醜女の肖像』(1513年頃)。油彩、64.2 × 45.5 cm、ナショナル・ギャラリー(ロンドン)所蔵 『醜女の肖像』(しこめのしょうぞう、英: A Grotesque Old Woman、英: The Ugly Duchess)は、フランドル派の画家クエンティン・マサイスが1513年頃に描いた風刺的な肖像画。この絵には、皮膚に皺がより、襟ぐりの深いドレスから萎んだ乳房をのぞかせたグロテスクな老女が描かれている。彼女は若い頃のように貴族風なツノ状の髪飾りをつけているが、すでに時代遅れなものである。また右手に赤い花を持っているが、当時それは婚約の象徴であり、すなわち求婚者を魅惑しようと試みていることを示唆している。しかし花は蕾として描かれ、「花を咲かせそうにない」。これはマサイスの最も知られた代表作である[1]。 世俗的で教訓的なこの絵が描かれた背景にはおそらく2つ