2014年5月20日 高齢者の物盗られ妄想の診察で気をつけていること 物盗られ妄想のある高齢者の診察では、刑事になったつもりで接するようにしている。何をいつ盗られたのか、犯人の目星はついているのかなどを聞く。これは家族や施設職員と話す時も同じで、絶対に最初から妄想とは決めつけない。特に家族の気持ちとしては、身内がいきなり妄想にとりつかれた狂人のような扱いを受けたら辛いものだ。 少し話がそれるが、高齢者の幻視(レビー小体病で起きやすい)に対しても、何が見えるのか、人なら誰が見えるのか、男か女か、知っている人か、怖くないかといったことを尋ねていく。物盗られ妄想にしろ幻視にしろ、こういう細かいことを尋ねていく過程と雰囲気は、本人はもとより同伴の家族の目にも、医師が真摯に向き合っている姿勢が伝わり、以後の関係が円滑になる。 さて、物盗られ妄想に対して薬を処方して二度目以降の診察であるが、本人に