これまで恐怖による交感神経活動の脳内ネットワークは明らかではありませんでした。今回、自然科学研究機構 生理学研究所の定藤規弘 教授と九州大学病院心療内科の吉原一文 講師らの研究グループは、恐怖による交感神経活動の脳内ネットワークを明らかにしました。 本研究結果は、 Neuroimage誌に掲載されました(2016年4月19日オンライン掲載)。 恐怖刺激などの環境ストレスに対処するためには交感神経系の活動上昇は必要不可欠です。最近の脳機能研究では、前帯状皮質や前部島皮質の脳活動が交感神経活動と関連していることが報告されています。しかし、恐怖による交感神経活動に関する脳内ネットワーク(脳領域間の機能的な結びつき)については、わかっていませんでした。 そこで、私たちは機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて32人の健常者に対してホラー映画とコントロール映画を視聴した時の脳活動を調査しました。fM