│ぼくの夢│ 大きくなったら ぼくは博士になりたい そしてドラえもんに出てくるような タイムマシーンをつくる ぼくは タイムマシーンにのって お父さんの死んでしまう まえの日に行く そして 「仕事に行ったらあかん」て いうんや これは、2000年3月に46歳で自らの命を絶った、和歌山県内の自治体職員の息子マー君が語った詩だという。朝日新聞の記者である牧内昇平氏は、過労死について数年にわたって取材をし、新聞に発表していた。それらの記事をもとに取材を続け、そのルポルタージュを『過労死 その仕事、命より大切ですか』という一冊にまとめた。その中には、決して「自己責任」とは言えない過労死の現実があった。今回は本書より、マー君の父親の実例を抜粋掲載にてご紹介する。 働きすぎでうつ病に 「ぼくの夢」を書いたマー君の父、塚田浩さん(仮名)は、和歌山県内の自治体職員だった。かかえきれない仕事の山に押しつぶさ