「ああ、ここもなくなってしまうのね」――。JR柏駅前にそびえる“思い出の場所”を前に、通りがかった年配の女性はそう嘆いた。 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は3月8日、運営する西武旭川店(北海道)とそごう柏店(千葉県)の2つの百貨店について、2016年9月末に閉店すると発表した。好調なコンビニエンスストア事業とは対照的に苦戦する百貨店事業のリストラに踏み切り、経営改革のスピードを加速させる狙いだ。 「グループの利益が最大の今だからこそ、構造改革を進める」。記者会見に臨んだセブン&アイHDの村田紀敏社長はこう強調した。百貨店閉鎖に加え、同じ傘下の総合スーパー(GMS)のイトーヨーカ堂についても、2017年2月期中に20店の不採算店閉鎖に踏み切る。 閉鎖する百貨店2店舗で働く社員は、そごう・西武のほかの店舗へ配置転換する。契約社員については、閉店となる9月末で契約切れとなる。今回の閉鎖に