東京証券取引所に9月29日に上場したマネーフォワード(MoneyFoward)の創業者・社長、辻庸介(41)は、黒色のノートと水性ボールペンを持ち歩く。マルマン製の方眼ノートとパイロット製の水性ボールペン「Vコーン」をオフィスのデスクに置き、外出するときはMacBookと一緒にバッグに入れる。 約200人の従業員や共同創業者たちが、辻のノートの中身を見ることはない。 「苦しい時や頭が混乱している時、ノートにペンで書いてみると頭の中がスッキリする」と、辻は黒ノートをペラペラとめくりながら話す。 創業前にソニーやマネックス証券で働いていた頃から、辻はこのノートに書き続けている。取材した9月下旬のこの日、辻が持っていたノートはマネーフォワード創業時から数えて15冊目となった。 数年後の未来の会社の姿や、その時の社会が必要としている「お金」にまつわるサービスをイラストで描いたり、文字で綴ったり。未