読み始める前は、気が重かった。 政治家の不正の話なんて、好き好んで読むものではない。 ましてやそれが、自分の愛するゲームという芸術様式に泥を塗り(彼らは「一概に全てを否定するものではない」という言い回しを繰り返し用いているが、裏を返すと「具体的に何が悪いのか考えもせず、大雑把に全体を否定している」わけだ)、しかもその条例はすでに施行され、曲がりなりにも公権力のお墨付きを得ているなどということは、わざわざ思い出したいことではない。 既に悪名高い香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」、所謂ゲーム条例に関する一連の社会の動き、パブリックコメントの(ほとんど明らかに不正だが、手続き上は罪に問われていない)問題、その背後にある事情を、現地の報道記者として長年追い続けてきた山下洋平さんがまとめた書籍「ルポ ゲーム条例 なぜゲームが狙われるのか」がこのたび発売された。
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