「坂の上の雲」と科学技術 今年は太平洋戦争開戦から70周年ということで、さまざまな記念番組がつくられた。司馬遼太郎原作のNHKドラマ「坂の上の雲」もその1つであろう。明治維新からわずか30年で、ロシアと戦うことになった日本。有名な旅順要塞の戦いや、203高地の戦い、奉天会戦、日本海海戦などを舞台に描かれている。 「まこと小さき国が開化期をむかえようとしている…」で小説は始まっているが、この一文は当時の日本の様子をよく表していると思う。開化は開花ではない。世界に互していくために、外国の優れたものを取り入れて、国を発展させようという時代だ。経済的な豊かさを開花というならば、現代のほうが豊かな時代であろう。しかし、「国を発展させよう」という気概は当時の方が遙かに高かった。 国の発展と科学技術を考えるならば、戦争の時代には、目を見張るべき発展が見られた。他国より優れた兵器をつくることは戦争には不可