Peter Harasztosi and Attila Lindner, "Who Pays for the Minimum Wage?" American Economic Review 109.8 (2019): 2693-2727. 最低賃金規制は低所得者の生活を保障するための手段である。市場賃金があまりにも低いのであれば、生活保障のために上乗せすべきだろう、というのが最低賃金規制推奨の動機だ。当然、上乗せ分は誰かが負担しなければならない。給与は雇い主が支払う。ところが、支払っているからといって負担しているとは限らない。雇い主は賃金の上乗せ分を支払ってはいるが、製品の価格を上げて販売先に一部を負担させるかもしれない。 最低賃金引き上げへの企業の対応として、雇用が減る、雇い主の利潤が減る、価格が上がる、という3つの調整弁が考えられる。雇用を減らすときに雇用だけを減らすことは稀で、減らし
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