秋葉原のカフェでの出来事だった。「受け取るだけでもいいから」と差し出された名刺には社名も所属も書かれていない。代わりに、ポーズを決めた女の子と「○○担当プロデューサー」の文字。「うちのアイドルをよろしくお願いします」と言って、その人は去っていった。芸能プロダクションの人だろうか。否、あるゲームのファンである。 ファンがプロデューサーを名乗り、互いに名刺交換をしているのは「THE iDOLM@STER」(アイドルマスター)というゲームシリーズ。くだんのやりとりは、筆者が友人に連れられて行ったコラボカフェでの出来事だ。TwitterやGoogle画像検索で「アイドルマスター 名刺」などと調べると、それらしい名刺がたくさん出てくる。 なぜ、そんな摩訶不思議な文化が広まっているのか。あまりにも衝撃的だったため、ファンの1人に話を聞いてみた。何のために彼らは名刺を作り、交換するのだろうか。 話をして
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