長寿国から脱落しないために また、ハーバードと日本福祉大学との合同調査でも、愛知県知多半島内の25の地域で、介護不要な65歳以上の高齢者1万5225人を対象に、ソーシャル・キャピタルだけでなくジニ係数も同時に測定する調査が行われました。その結果、健康状態が良い場合は、ソーシャル・キャピタルが高く、ジニ係数は低くなるということが分かったのです。 また、ジニ係数とソーシャル・キャピタルの間には、一方が高くなるともう片方が下がるという関係性も見つかりました。つまり、格差が激しい社会では、人々の心に余裕がなくなり、ソーシャル・キャピタルは低くなる。その結果、人々の健康までもが損なわれてしまうということです。今、この悪循環に陥ってしまっているのが、世界一の格差大国、アメリカなのです。 アメリカでは、全人口のうち、たった5%の資産家たちだけで、全体の富の60%を保有している。しかしその一方で、労働人口