スパイというと、007=ジェームズ・ボンドをイメージする人がいまだ多いかもしれない。超高級車「アストン・マーチン」を乗り回し、高級リゾートホテルに泊り歩き、世界中の美女たちと遊び、お金を湯水の如く使う。その報酬は一億円か二億円か。それ以上か。 しかし、実際のスパイが幾らぐらいの報酬をもらっているかはまず明かされることはない。無論、CIAやMI6が統計を発表することもない。スパイの報酬はまさにトップシークレット中のトップシークレットである。 そのトップシークレットを明らかにしてくれたのは、「インテリジェンスの達人」というべき元外務省主任分析官の佐藤優氏である。佐藤氏は、これまた世界の情報戦の内幕に詳しい外交ジャーナリスト、手嶋龍一氏との対談(新書『賢者の戦略―生き残るためのインテリジェンス―』)の中で、自らの実体験としてスパイの報酬をリアルに暴露している。 佐藤氏は二○○二年、鈴木宗男事件に